平屋は近年、開放感あふれる間取りや、階段による移動がなく暮らしやすいなどの理由から人気を集めています。一方で、後悔しないためにはデメリットもきちんと理解した上で建てることが大切です。
この記事では、新築の平屋を建てたいと考えている方に向けて、平屋を建てる4つのメリットと3つのデメリットを解説します。また、平屋を建てるときに気をつけるポイントにも触れるので、参考にしてみてください。
平屋住宅とは?
平屋とは、1階建ての住宅のことを言い、階段がなくワンフロアで完結するのが一番の特徴です。生活動線や家事動線が効率的で負担の少ない設計になっており、小さい子どもからお年寄りまで安心して長く暮らせます。
また、家族同士が顔を合わせる機会が自然と多くなるため、家族が身近にいるという安心感が常にあります。このように平屋は、ワンフロアの開放的な間取りやその暮らしやすさから、近年人気を集めているのです。
平屋に住む4つのメリット
平屋は2階建てでは実現できない空間をデザインできます。ここでは平屋ならではの魅力をご紹介します。
家族間のコミュニケーションが活発になる
壁や仕切りがなく開放感あふれる環境のため、家族同士の距離感が近くなり、常にお互いの気配を感じながら過ごせます。すぐに声が届く近さはコミュニケーションを取りやすく、安心感にも繋がります。また小さい子どもに目が届きやすいので、安心して遊ばせられることも平屋のメリットです。
家事を効率的にこなせる
生活がワンフロアで完結するため、移動がとてもラクなことも平屋の魅力のひとつです。たとえば、掃除機をかける時だったり、買い物したものや洗濯物を運ぶ時だったり、わざわざ階段を上る面倒がなくなります。そのため、日々の生活がラクになるだけでなく、毎日の時間の節約にも繋がるでしょう。
バリアフリーで長く住める
足腰の負担になる階段の上り下りが無くなるため、バリアフリーは小さな子どもや高齢者に優しい設計です。平屋にすることで、階段で転倒・転落する事故を防止できます。老後の暮らしを考えると、このようなバリアフリー設計は長い間住み続けられるので安心です。
メンテナンス費用が抑えられる
外壁修繕や太陽光パネルの設置など家のメンテナンスをする際、2階部分がないため、大がかりな足場を組む必要がなく、その結果メンテナンス費用を抑えられます。さらに、平屋は2階建てと比べ屋根の面積が広いため、より多くの太陽光パネルを設置でき、電気代の節約にもなります。
平屋を建てる3つのデメリット
ここまでご紹介したように平屋ならではの魅力がある反面、平屋であるがゆえのデメリットも存在します。長く住み続ける家だからこそ、デメリットをしっかり理解した上で、平屋にするかどうかを決めることが大切です。ここでは平屋のデメリットを3つご紹介します。
広い土地が必要
平屋でゆったりしたスペースを確保しようとすると、そのぶん、より広い敷地が必要になります。間取りはその敷地の広さや形状に左右されるため、自由に設計するのが難しくなるでしょう。
また、エリアによって建ぺい率(敷地面積に対する建物面積の割合)が決まっており、その敷地いっぱいに家を建てられるわけではありません。希望する間取りを叶えようとすると、その建ぺい率を満たすだけの広さが必要になります。
坪単価が高くなる
2階建てと同じ広さの平屋を建てるとなると基礎や屋根の面積が広くなります。すると、建築コストの大部分を占める基礎工事と屋根工事の費用がかさんでしまい、2階建てよりも坪単価が高くなる傾向にあります。
水害などに弱い
台風や津波などの水害が発生した場合、2階に避難ができません。土地を選ぶときは、海抜が低い土地、川や海の近くを避けるなど、立地には十分注意してください。そして、もしもの時のために、地域のハザードマップを必ず確認しておきましょう。
平屋を建てる時に注意する3つのポイント
実は、先ほど上げた平屋ならではのデメリットのいくつかは建てる前に回避できることもあります。ここでは、平屋を建てる時に注意したい3つのポイントを解説します。各ポイントを考慮して、後悔のない快適な暮らしができる環境を作っていきましょう。
土地
理想の間取りを実現するには、土地選びが重要です。土地の広さはもちろんのこと、土地の形や方位、地形などその土地の個性を活かした設計が、理想の家づくりに繋がります。そのため、自分が実現したい家を具体的にイメージしながら、土地を選ぶようにしましょう。
また自然災害を想定して土地を選ぶことも大切です。地盤が緩くないか、浸水の心配がないかなど地盤や海抜についても必ずチェックしてください。
プライバシーと防犯対策
外部と内部のプライバシーを考慮することも大切です。平屋は部屋同士の距離が近く、家族間のプライバシーの確保が難しい側面もあります。そのため、家族の生活リズムを配慮した部屋の配置にしたり、防音材などで他の人の生活を阻害しないようにしたりなど工夫が必要です。
また平屋は窓を大きく設置することが多いため、外や近隣の家から、家の中が丸見えになってしまうリスクもあります。塀や目隠しを設置するなど工夫し、外からのプライバシーを守りましょう。
採光を考慮する
平屋の場合、高さが低くなるため、周囲の家の影響を受けやすくなります。たとえば隣家との距離が近かったり、高層ビルが立っていたりすると、十分な光を取り入れられない可能性があります。
予定していた量の採光が得られなさそうな場合は住宅会社に相談したり、設計をもう一度行ったりして、暮らしやすい環境を作りましょう。
まとめ
今回は、平屋住宅を建てるときのメリット・デメリット、建てるときに注意したいポイントをご紹介しました。家を建てる際は、平屋のメリットだけではなくデメリットもしっかり理解したうえで、土地選びの段階から設備や間取りなどを入念に計画することが大切です。不明点やお近くに相談できる人がいない場合は、信頼できる専門家に相談し、後悔しない家づくりをしてみてください。
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